新型コロナウィルスの蔓延により、これまでになくテレワークが推奨されていますね。長年ウェブ制作に携わってきたので、個人的にはテレワークで仕事する機会はこれまでも結構あったのですが、今回の新型コロナウィルスの騒動をきっかけにして、この働き方は様々な職種で一層定着していくことになるかもしれません。

いざ振り返ってみると、自分の場合は無線LANルーターの仕様や性能に関しては、ほぼスルーしてしまっていて、単にメーカー名や価格で買ってしまっていたんですが、皆さんの場合はどうでしょうか?

いざ調べてみると、年々新しい規格が登場しており、それに応じて無線LANルーターの性能はどんどん向上しているようです。さらに周波数帯毎の電波特性や通信速度など機種選定の際に押さえておきたいポイントは幾つもある事に気付かされました。

新しい無線LANルーターを買う場合、納得のいく機種選びをするには、どんな点を押さえておけば良いのでしょうか。今回は、アフターコロナ時代に相応しい無線LANルーターに関する規格や仕様に関してまとめてみましたので、一緒に考察していきましょう。

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目次

  1. 無線LANの通信規格について
  2. セキュリティー規格ついて
  3. 自動接続機能について
  4. オススメの機種
  5. 機種選びの際の注意点
  6. まとめ

1.無線LANの通信規格について

まず、無線LANの通信規格を語る前に、知っておくべきポイントを2つ挙げてみたいと思います。それは周波数帯最大通信速度です。

周波数帯

無線LANの周波数帯は主に2.4GHz帯5GHz帯60GHz帯の3タイプがあります。これは周波数帯ですから、単純に数字が大きければよいというものではありません。むしろそれぞれの周波数帯で電波特性が異なるという点を理解しておきましょう。

2.4GHz帯

障害物に強く、壁や家具越しでも電波が届きやすい反面、同様の周波数を家電や多くの電子機器が利用しているため、電波干渉による速度低下が起こりやすいというデメリットもあります。戸建ての家では、隣の部屋まで電波が届きやすくて便利ですが、隣家の通信機器の影響を受けやすい木造アパートでの使用、または電波を発する機器が沢山あるような環境での使用には注意が必要かもしれません。

5GHz帯

電子レンジやBluetoothなど、他の機器の電波干渉を受けにくく安定した通信が可能な周波数帯です。また一般的に2.4GHzよりも通信速度が高速です。しかし、壁や家具など障害物に弱く、設置場所によっては電波の届きにくい場所ができることがあります。障害物のない広いリビングでの使用で、最大のパフォーマンスを期待できる周波数帯です。

60GHz帯

通信規格「IEEE 802.11ad」で採用された新しい帯域です。5GHz帯と比べて更に直進性が強いという電波特性を持っています。障害物のない広いリビングなど条件が整えば、最高のパフォーマンスを期待できる周波数帯ではありますが、最新の通信規格である「IEEE 802.11ax」では、再び5GHz帯、2.4GHz帯に仕様が戻りました。この周波数帯域の普及は、今後は見込めないのかもしれません。

最大通信速度

通信速度の単位である「bps」はbit per secondの略で、1秒間に何bitのデータを転送できるかを表したものです。8bit = 1byte(半角英数字1文字分のデータ量)なので、8Mbpsは1秒間に1MBの通信が可能であることが分かります。1MBは1byteの1,024×1,024倍ですから、1秒間に半角英数字100万文字以上の通信が可能という計算になります。

現在市販されている無線LANルーターの最大通信速度は、それぞれ通信規格に応じて54Mbps9.6Gbpsまでの開きがあります。54Mbpsは1秒間に約7MB弱のファイルを転送できますが、9.6Gbpsでは1秒間に約1,228MB(約1.2GB)のファイルを転送できる計算です。9.6Gbpsは54Mbpsの約182倍の速度が出せる計算になりますね。「え!本当に?」と思ってしまいますが、これはあくまでも通信規格上のお話です。

この数値は、あくまで通信規格の理論上の最大速度なので、現在市販されている無線LANルーターがこの最高速度を出せるという意味ではありません。加えて、無線LANルーター端末のスペック上の公称値を実際に出せるわけでもありません。利用する端末側の性能や通信環境によっても実際の通信速度は大きく異なってくるからです。

このように通信速度は様々な条件が関係するため、単純にスペック上の通信最大速度が出るわけではありませんが、頻繁にファイル転送を行う人、またZoomやSkype等のビデオ会議を自宅で頻繁に行う人は、なるべく通信速度の早い機種を選ばれた方がよいと思います。

通信規格

さて、周波数帯別の通信特性最大通信速度について少し考えてみましたが、ある程度基礎を押さえたので、今度は通信規格について考えてみましょう。まずは通信規格を古い順に挙げてみたいと思います。

IEEE802.11a
周波数帯:5GHz 最大通信速度:54Mbps

IEEE802.11b
周波数帯:2.4GHz 最大通信速度:11Mbps

IEEE802.11g
周波数帯:2.4GHz 最大通信速度:54Mbps

IEEE802.11n
周波数帯:2.4GHz 最大通信速度:600Mbps
周波数帯:5GHz 最大通信速度:600Mbps
※古めの機種・エントリー機種に多い

IEEE802.11ac
周波数帯:5GHz 最大通信速度:6.9Gbps
※現在の一般的な機種・普及機種で採用

IEEE802.11ad
周波数帯:60GHz 最大通信速度:7Gbps
※現在の一般的な機種・やや高価な機種で採用

IEEE802.11ax
周波数帯:2.4GHz 最大通信速度:9.6Gbp
周波数帯:5GHz 最大通信速度:9.6Gbp
※最新機種・高級機種で採用

ちなみに、現在市販されている無線LANルーターの場合、古い規格であるIEEE802.11a〜gまでしか対応できないという機種はありません。最近の機種は11n、11ac以降のものがほとんどです。60GHz帯は11adのみで採用されている周波数帯となっています。

2.セキュリティー規格ついて

今度は、セキュリティー規格について見てみましょう。無線LANは配線する必要がないので大変便利ですし、スマホが一般化した今日では必須の通信環境と言えます。しかし、第三者が不正に利用するかもしれないとういう不安も付きまといますよね。ですので、セキュリティーにも気を配りたいところです。

余談ですが、今から十年程前。無線LANが各家庭に広く普及する前は、セキュリティー設定せずに利用していた人もいたようで、当時発売されたばかりのiPhone3GSを持って住宅街を散歩すると、いつの間にかどこかの家庭の無線LANルーターに接続されてしまっていたなんてことが、案外あったものです。今ではちょっと考えられませんが、これは本当の話なのです!しかし、現在は事情が全く異なっているので、セキュリティー設定はしっかり確認しましょう。

WEP、WPA

WEPは無線LAN用に誕生した最初の暗号化技術のため、採用機種が多く旧型の製品でも利用できるのですが、既にいくつかの脆弱性が見つかっています。WPAはWEPの弱点を補強し、TKIPと合わせて利用されるのが一般的で、WEPよりも強力ですが、こちらも脆弱性が見つかっているので、これらは使用しないようにしましょう。

WPA2

WPA2はWPAをさらに強化したセキュリティー規格です。AESと併用することで、解読されにくいセキュアな暗号通信が行えます。2004年の規格策定から10年以上が経過し、脆弱性が見つかっているとの報告もありますが、現在広く普及しているセキュリティー設定です。

WPA3

WPA3は、SAEと呼ばれる新たな認証技術で安全性を高めた2018年に策定された最新規格です。最新規格のため対応製品が少ないのが難点ですが、今後はWPA2に代わって広く普及するものと思われます。macOS 10.15 Catalina、及びiOS13では既にサポートされています。

3.自動接続機能について

大抵の無線LANルーターには、自動接続機能がついています。テレワークで仕事されるような方の場合、ITリテラシーは高いでしょうから、それほど重要なポイントではないとは思いますが、念のためどのような機能があるのか、ざっとおさらいしておきましょう。

WPS

WPSは、世界で標準的な無線LANの自動接続機能です。Windows10、macOSでは標準でWPSによる設定が可能です。もちろんAndroidやiPhoneでも広く利用可能です。

AOSS、AOSS2

AOSSは、バッファローの無線LANルーター「AirStation」シリーズが搭載する自動接続機能です。初代AOSSは対応機種が少なかったのですが、後継のAOSS2は、Windows10、macOS、Android、iPhoneなど、あらゆる機器で利用できるのが特徴です。

らくらく無線スタート

NECが提供する「Aterm」シリーズの無線LANルーターで利用できる自動接続機能です。Android、iPhoneのようなスマホでは、自動セットアップが可能ですが、パソコンの場合には専用のソフトウェアをインストールする必要があるので「らくらく」と言うほど楽に設定できるというわけではないようです。

4.機種選びの際の注意点

機種選びの際の注意点ですが、これまで見てきたのは、主に無線LANルーターの性能や仕様でした。ですが、購入する前に確認しておきたいのは、その無線LANにどんな端末を接続するかも考えなければならないという点です。

具体例を挙げて考えてみましょう。iMacの仕様を見てみると「ワイヤレス」の項目には「802.11ac Wi-Fiワイヤレスネットワーク接続 IEEE 802.11a/b/g/nに対応」と書かれています。つまりiMacでは最新の通信規格である「IEEE 802.11ax」の記述は見当たりません。これは利用できない事を意味するのでしょうか?

いいえ。利用することが可能です。なぜかというと、これら通信規格は下位互換性が保たれているからです。

ただ注意点として喚起しておきたいのは、最新のIEEE802.11axの無線LANを買ったとしても、端末側が対応していなければ、最大のパフォーマンスが得られないという点です。つまりiMacの場合は、スペック上IEEE 802.11acに対応した無線LANで十分ということになります。単純に最新機種・高級機を買ったとしても、その性能を引き出せないのであれば勿体無いですよね。機種選定の際には注意しましょう。

5.オススメの機種

これまで考えてきたように、必ずしも最新機種・高級機がよいというわけではなく、仕様環境や接続端末を考慮に入れた上で機種を検討する必要があることがわかりました。それでは、現在発売中の無線LANルーターを具体的に取り上げて検討してみたいと思います。

ワンルームマンション、あるいは主に自分の部屋で使う場合にぴったりなコスパに優れた廉価版:

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター
WCR-1166DS 11ac ac1200 866+300Mbps デュアルバンド

参考価格:¥5,500(税込)実売価格:¥3,200前後(税込)

11acの5GHz帯使用で866Mbps、11nの2.4GHz帯使用で300Mbpsという仕様ですが、通信速度はあまり期待しない方がいいかもしれません。ですが、主な仕事内容がエクセルやパワポでの資料作成、コーディングがメインで、同僚とのやり取りも、ビジネスチャットやメールがメインで、ビデオ会議など必要としないのであればこのレベルで十分ではないでしょうか。何と言ってもコスパが魅力的ですね。3,000円台ですから。

ビデオ会議にも対応できる通信速度を備えた万能に使えそうな普及機種:

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター
WSR-2533DHPL 11ac ac2600 1733+800Mbps デュアルバンド

参考価格:¥13,200(税込)実売価格:¥7,500前後(税込)

11acの5GHz帯だけでなく、11nの2.4GHz帯も利用可能なデュアルバンドモデルです。通信環境に合わせて周波数帯を変えれば、戸建てなら2階まで余裕でカバーできます。5GHz帯では最大1,733Mbps、2.4GHz帯では256QAMに対応しているので、最大800Mbpsというスペックを持っています。5GHz帯を使えば、ビデオ会議でもストレスを感じることはないでしょう。amazonでは上の参考価格より、かなり安くなっている場合があるので要チェックです。

十分な通信速度を備えた万能機。外部アンテナで指向性を調整可能:

ASUS ゲーミングWi-Fi無線ルーター
RT-AC86U 11ac デュアルバンド AC2900 2,167+750Mbps

実売価格:¥14,000前後(税込)

ゲーミングルーターを名乗っているだけあり、通信速度はあらゆるテレワークに十分対応可能です。また複数のWi-Fiルーターを繋ぎ合わせてメッシュネットワークを構築できるのもポイントです。11acなのでデュアルに周波数帯を切り替えが可能。5GHz帯では最大2,167Mbps、2.4GHz帯は最大750Mbpsです。仕事以外にも万能に使えそうです。

仕事もオンラインゲームもどんな用途にも使える万能高級機:

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター
WXR-5950AX12 Wi-Fi6 11ax/11ac AX6000 4803+1147Mbps

参考価格:¥48,950(税込)実売価格:¥30,000前後(税込)

11axに対応した高速・高級機種です。最大のパフォーマンスを得られる11axだけでなく、11acにも対応。幅広い通信規格に対応しているので、通信環境に合わせて使用できますね。通信速度も最大で5,950Mbpsとあり、11acでも通信速度2,402Mbpsを実現しているとのことです。amazonの商品説明には1階も2階もG(ギガ)越えとあります。

これさえあれば、仕事もオンラインゲームもどんな用途にも使えそうです。しかし、前述の通り、そもそもインターネット回線が遅かったり、接続端末がこの性能を十分に活かせないこともあるので、購入時には検討が必要でしょう。amazonでは上の参考価格より、かなり安くなっている場合があるので、その点は要チェックです。

※上記の各商品名称及び商品写真はamazonへのリンクとなっています。

6.まとめ

今回はテレワークに使えそうな今時の無線LANルーター選びのためのポイントをまとめてみました。なんとなくメーカー名と価格で選びがちな無線LANルーター。対応している通信規格通信速度、また周波数帯の電波特性などをしっかり見極めた上で、自分のワーキングスタイルにあった無線LANルーターを選択したいものです。