現在、個人的に電子工作の技術を使ってプラモデルにギミックを組み込めないかあれこれ模索中です。とりあえず、1/35の戦車のプラモデルをラジコン化するという誰もが思いつきそうなプランを検討中ですが、電源をどのように確保するかについて色々調査しています。仮に乾電池やラジコンなどでは一般的な7.2Vバッテリー等でラズパイを動かしたいと思った場合にどのような方法が取れるのか、今回は秋月電子通商製の2つの昇降圧電源モジュールを購入して比較検討してみました。

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目次

  1. 同期整流式昇降圧型スイッチング電源モジュールキット [AE-LTC3111]
  2. 三端子レギュレータキット 5Vターミナル版 [AE-NJM7805S(TB)]
  3. まとめ

1. 同期整流式昇降圧型スイッチング電源モジュールキット [AE-LTC3111]

まずは昇圧・降圧共に可能なスイッチング電源モジュールを試してみました。この製品は2.5〜15Vの範囲で入出力電圧をコントロールできる電源モジュールで、条件にもよりますが最大2.5A程度まで電力に対応しています。電子基板のパーツとしては高めのお値段(税込1,380円)ですが、汎用性が高く様々な電子工作の電源モジュールとして使えそうです。

入出力2.5V~15V 最大1.5A
同期整流式昇降圧型スイッチング電源モジュールキット AE-LTC3111使用(秋月電子通商)

この秋月電子通商製の電源モジュールは半完成キットとなっており、入出力のための端子台と出力電圧を設定する可変抵抗(多回転VR)のみハンダ付けの必要があります。出力OFFのためのジャンパースイッチは必要に応じて使用します。自分は特に必要としないためハンダ付けしませんでした。

昇圧テスト:エネループの場合

まずは単4サイズのエネループ3本で動作テストしてみました。エネループは1.2V出力のはずですが、充電が満タン状態だと1.3V以上の電圧があるため、動作テスト前の計測値では、直列3本の計測値はほぼ4Vでした。

では早速、電源モジュールにエネループを接続して、テスターで出力電圧をテストしてみましょう。Raspberry Piは5Vで動作させる必要があるため、出力電圧は5Vに設定します。

出力電圧の設定は、取り付けた可変抵抗(多回転VR)のネジををマイナスの精密ドライバーで調整します。調整はテスターでモニターしながら行います。この製品は出力が約9Vの状態で出荷されているので、ゆっくりと反時計回りにネジを回転させ5Vのところで止めます。逆に電圧を上げるには時計回りにネジを回転させます。電圧はかなり細かく調整できました。

出力電圧をぴったり5.00Vに調整してからしばらく様子をみてみましたが、テスターの電圧値は微動だにせず、安定した電圧を出力できることを確認できました。

OHM(オーム電機) デジタルマルチテスター 普及型 TDX-200 (04-1855)

テスター棒用ワニグチクリップ

※上記のリンクはamazonへのリンクとなっています。

実際にRaspberry Pi Zeroを接続してみましたが、電源は5VピンとGNDに接続します。問題なく起動できることを確認できました。

降圧テスト:アルカリ9V電池の場合

今度はアルカリ9V電池で電圧の降圧テストをしてみました。可変抵抗(多回転VR)のネジを多少調整し直す必要がありましたが、こちらもしばらく放置して電圧値を確認してみましたが、安定した降圧性能を確かめることができました。

今回はテストしませんでしたが、これならラジコン用の7.2Vバッテリーでも全く問題なく降圧してラズパイ用の電源として使えそうです。

入力電圧毎の最大出力電流について

付属の説明書には、入力電圧別の出力電流の変化を図示したグラフが掲載されているのですが、今回試したエネループ3本(直列4V)の場合は、5V出力時に最大1.25A程度の出力(オレンジの折線グラフ上のピンクの丸印に注目)を期待できるので、Raspberry Pi Zero用の電源として使用するには全く問題ないことがわかります。

「最大出力電流」の測定例(説明書より抜粋)

今回のテスト中にRaspberry Pi Zeroの起動時の電流の変化を計測してみましたが、200mAを超えることはなく概ね100mA〜180mA程度であったため、余裕をみても500mA程度の出力を確保できればよさそうです。

入力が3V、出力が5Vの場合、最大600mA程度は出力できそうなので、アルカリ乾電池の場合は直列2本であっても電源として使用できそうです。

9V乾電池の場合は、出力5Vなら最大2.5A程度も出力(オレンジの折線グラフ上のピンクの丸印に注目)できるようです。これならラジコン用の7.2Vバッテリーでも全く問題ないですね。プラモデルやラジコンにラズパイを組み込むのにこれは重宝しそうです!

これまでのテスト結果のように今回試した電源モジュールはRaspberry Pi Zero用の電源としては申し分ない性能で、昇圧でも降圧でも様々な用途で使用できそうです。

通常サイズのRaspberry Piの電源モジュールとして使えるのか

ちなみに通常サイズのラズパイで使う場合ですが、旧型のRaspberry Pi 2までなら、入力電圧6Vの場合、2Aの出力が可能なため、問題なく動作させることができそうです。ただ、2.5Aの電源が推奨されているRaspberry Pi 3では、起動させる程度なら問題なくても、長時間の使用にどの程度耐えるかは未知数ですね。

また、記事執筆時点の最新のラズパイRaspberry Pi 4だと、残念ながらこの電源モジュールで動作させることはちょっと厳しそうです。

2. 三端子レギュレータキット 5Vターミナル版 [AE-NJM7805S(TB)]

お次は、降圧専用の電源レギュレータキットです。こちらは入力電圧を降圧するのみではありますが、先ほどの電源モジュールと比較するとかなりリーズナブル(税込250円)なのが特徴です。またこちらには3点スイッチが付属します。入出力用の端子台と3点スイッチのみハンダ付けする必要があります。

三端子レギュレータキット 5V ターミナル版(TB版)

降圧テスト:アルカリ9V電池の場合

ひとまず先ほどのアルカリ9V乾電池でテストしてみました。こちらは出力が5V固定なので、調整の必要はありません。

テスターの計測では5.05Vと表示されました。しばらくこのままで様子を見てみましたが、降圧された出力は安定していました。

実際にRaspberry Pi Zeroを接続してみましたが、電源は5VピンとGNDに接続します。問題なく起動できることを確認できました。

降圧テスト:ラジコン用7.2Vニッケル水素バッテリーの場合

今度はラジコン用7.2Vバッテリーを接続して降圧された電圧を計測してみました。

こちらは5.04Vと表示されていますが、この状態で安定した電圧を維持していました。

ラジコン用7.2Vニッケル水素バッテリー

実際にRaspberry Pi Zeroを接続してみましたが、電源は5VピンとGNDに接続します。問題なく起動できることを確認できました。

入力電圧毎の出力可能電流について

付属の説明書には、入出力の電位差別の出力可能電流のグラフが掲載されています。今回はアルカリ9V乾電池でテストしましたが、入出力間電位差は4Vなので、その箇所を参照します。(ブルーの折れ線グラフ上のピンクの丸印に注目)この情報によれば750mAの出力が可能なようです。またラジコン用の7.2Vバッテリーの場合は1.3Aまで出力できそうです。

「最大出力電流」の測定例(説明書より抜粋)

既に述べた通り、Raspberry Pi Zeroは500mA程度の電源で使用できそうなので、アルカリ9V乾電池でも全く使用に困ることはなさそうです。ラジコン用の7.2Vバッテリーの場合は1.3Aまで出力できるので、初代Raspberry Pi B+位までの電源としては使えるかもしれません。

3. まとめ

今回は秋月電子通商製の2つの電源モジュールを使いRaspberry Pi Zeroの電源として使えそうか検証してみました。昇降圧両方に対応する電源モジュールは少々値が張るものの、汎用性が高く様々な電源を流用できるものでした。降圧専用のレギュレータは出力がやや小さいものの、安価で入手できるというメリットがありました。目的に応じて使い分ければよいかと思います。